NPO法人の役員変更登記
役員の変更登記の必要性
NPO法人は、少なくとも2年に1度は、管轄の法務局に対し、役員の変更登記を申請する必要があります。
その理由は、NPO法人の役員の任期は、原則2年だからです。(再任することは可能です。)
法務局への役員変更登記は、代表権を有する理事(以下、「代表理事」といいます。)に変更(再任の場合を含む。)があった場合に申請をします。
したがって、代表権を有しない理事や監事の方に変更があっても、法務局への役員変更登記の申請は不要です。
ただし、平成24年4月1日より前は、代表権を有しない理事も登記事項であったため、その日より前の理事の変更については、一律に役員の変更登記を申請する必要があります。
「所轄庁への毎年の事業報告書は提出しているが、法務局への役員変更登記は1度も申請をしたことがない」といったケースが多く見受けられます。
法律上、法務局への役員変更登記は、代表理事に変更が生じた時から2週間以内に申請をする必要があります。
この役員変更登記を怠ると、過料の処分を受けることになるため、確実に申請をするようにしましょう。
また、誤った役員変更登記を申請してしまうと、罰金などの刑事罰が科される恐れもあるため、長らく役員変更登記をしていなかった場合には、1度専門家に相談をしてから、申請することをおすすめいたします。
確認事項
法務局への役員変更登記をするにあたっては、まず、何回分の登記申請をする必要があるかを確認します。
少なくとも2年に1度は役員の変更登記申請を行う必要があるため、例えば、10年間役員の変更登記申請を行っていなかった場合は、およそ5回分の登記申請を遡って申請することになります。
設立登記申請をしてから、1度も役員変更登記申請をしていない場合は、定款の附則に記載された設立時役員の任期満了日が、1回目の役員変更登記となることが多いです。
ただし、設立をしてから、設立時役員の任期満了日までに、代表者に変更があった場合には、その分の登記申請も必要となります。
平成24年4月1日より前は、代表理事以外の理事についても登記事項であったため、その日より前に理事の変更(再任を含む。)をしている場合は、その分の登記申請も行います。
必要となる登記申請の回数は、法人の状況により異なるため、これまでの役員の変遷を精査し、必要な役員変更登記を正確に把握することが重要です。
必要書類
役員変更登記の際に使用する書類は、法人の定款規定や申請内容により異なりますが、おおよそ以下のような書類が必要となります。
- 社員総会議事録
- 理事会議事録(又は、理事の互選書)
- 就任承諾書
- 辞任届
- 定款
- 印鑑証明書
また、代表者の変更(再任の場合を除く。)を申請する場合には、新しい代表者を選んだ会議体の議事録(又は、互選書)に押印する印鑑は、個人の実印である必要があります。
登記申請の際には、実印を押印した方の印鑑証明書を添付します。
ただし、従前の代表者が当該議事録へ会社実印を押印した場合は、その必要はありません。